4. ゲームシステム

4-1. 概要
ここでは、Queek で製作した RPG が実際にどのようなルールに従って動作するのか説明します。ゲームシステムを理解することは Queek で RPG を製作するに当たって必要不可欠なことなのでよく理解しておいて下さい。と言っても、大まかなところは一般的な RPG と変わりありませんからそれほど難しくはないと思います。また、操作方法は RPG 実行ツールの説明をご覧下さい。

4-2. 登場キャラ
プレイヤーが操作できるキャラクターを「登場キャラ」と言います。登場キャラは 64 人まで設定でき、プレイヤーがいちどに操作できる登場キャラは1人だけです。プレイヤーの操作対象になる登場キャラはシナリオのスクリプトにより随時変更できます。また、戦闘システムの性質上、パーティーを組む、ということは基本的に不可能です。パーティーを組めない、ということから不満を覚える方もいるかもしれませんが、Queek の戦闘方式が一般的なエンカウント方式と大きく異なると言う点をご理解いただき、頭を切り替えた発想をお願いします。
ステータスはもちろん、所持金やアイテムなどもすべて各登場キャラごとに独立しており、プレイヤーはそれぞれの登場キャラを個別に育成できます。所持金やアイテムの登場キャラ間の受け渡しも可能です。製作者の腕次第では、操作対象にする登場キャラを絶妙に切り替えることで、今までにない新鮮で斬新なストーリー展開が期待できるでしょう。
戦闘中に現在操作している登場キャラが死亡した場合、ゲームオーバーとなります。ストーリーの都合上、キャラクターの死亡を描写する必要がある場合は、スクリプトによりこれを行うことが出来ます。

4-3. 敵キャラ
コンピュータが操作して、登場キャラに敵対しているキャラを「敵キャラ」と言います。敵キャラは 256 種類まで設定でき、マップごとに敵キャラを配置できます。同じ種類の敵キャラを複数出現させることも可能です。また、スクリプト上から敵を配置することも可能です。敵キャラを戦闘により倒すと、登場キャラには敵キャラのレベルに応じて金(かね)と経験値が与えられます。
敵をまったく登場させることなくストーリーを進行させる、なんてことも可能です。謎解きやそれこそストーリーのみを重視した RPG を作りたいのであればこういった選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。

4-4. ステータス
キャラに関するステータスを説明します。これらの数値がそのキャラの戦闘能力を左右することになります。登場キャラの場合は装備により各数値が変化します。
名称
対象
説明
レベル
両方
戦闘能力とは直接関係ありませんが、目安となります。登場キャラの場合は経験値によりレベルアップし、レベルアップに他のステータスも変化します。
経験値
登場キャラ
戦闘で敵キャラを倒すと増えます。経験値の値が設定された値に達するとレベルアップとなります。
所持金
登場キャラ
戦闘で敵キャラを倒すと増えます。アイテムの購入に使用できるほか、スクリプトでいろいろなイベントに関係させられます。
HP
両方
ダメージを受けると減少し、ゼロになると死亡です。
MP
両方
魔法を使用すると減少し、不足すると魔法が使用できません。
AP
両方
これが満タンでないと攻撃や魔法が使用できません。随時回復します。つまり、この最大値が小さいほど連続的に攻撃などが出来ます。
俊敏性
敵キャラ
登場キャラが敵キャラから逃げるとき、敵キャラが登場キャラを追跡する能力を表します。
属性
敵キャラ
敵キャラには属性を設定できます。属性の相性により魔法による攻撃の効果が異なります。登場キャラはすべて無属性です。
属性レベル
両方
属性レベルにより、その属性の魔法の使える種類が変化します。敵キャラの場合は設定された属性のみのレベルです。登場キャラの場合、全ての属性に対して属性レベルがあります。※魔法レベルというときもあります。
魔法射程
両方
そのキャラが相手に対して魔法を使える最大距離です。
通常攻撃力
両方
直接攻撃により相手に与えるダメージ量です。
魔法攻撃力
両方
魔法により回復する量や、相手に与えるダメージ量を表しますが、各魔法に対して設定された値によってもその量は変化します。
通常防御力
両方
直接攻撃により受けるダメージが軽減される量です。
魔法防御力
両方
魔法攻撃により受けるダメージが軽減される量です。
通常命中率
両方
直接攻撃を命中させられる確率です。
魔法命中率
両方
魔法攻撃を命中させられる確率です。実際の命中率は各魔法に対して設定された命中率によっても変化します。

4-5. 戦闘システム
Queek のリアルタイム戦闘システムについて説明します。各キャラは、上で説明した AP と言うステータスが Max のときに攻撃や魔法と言ったものが使用できます。攻撃や魔法を使用すると、AP はゼロになりますが、常に一定の速度で回復していきます。AP の最大値が大きいと攻撃などの間隔が長くなるため、AP の最大値は小さいほどいい、と言うことになります。例えば、重い武器や防具を装備すると AP の最大値が上昇します。戦闘システムについては、実際にサンプルなどを実行して試してみるのが一番だと思います。

4-6. 魔法
RPG には大抵魔法なる概念が存在し、普通に使用されています。そして Queek にも魔法が存在します。魔法には 3 種類あり、自分の体力を回復する回復魔法、敵単体を攻撃する単体魔法、射程内の全ての敵を攻撃する全体魔法があります。魔法には 6 つの属性があり、各属性に 4 つの魔法があります。前述のように、魔法攻撃は対象の属性により相性があり、それによって効果が異なります。各属性の中の上級の魔法を使用するためにはそれよりも低いレベルの魔法を習得している必要があります。レベルアップにより各属性の魔法のレベルが上がり、上級の魔法を使用できるようになります。
また、現段階ではプログラムの仕様上、魔法のエフェクトを変更することは出来ません。エフェクトに使用されている画像は変更できます。魔法のエフェクトは既定のものを使用して下さい。魔法のエフェクトを確認するにはサンプルシナリオを実行して下さい。

4-7. アイテム
アイテムには回復に使用するもの、装備に使用するもの、その他のイベントに使用するものの3種類があります。回復に使用するものは HP または MP を回復できます。装備については次の項をご覧下さい。イベントに使用するアイテムは、所持することによりスクリプトの中で様々な処理が可能です。詳しくはスクリプトの解説を参照して下さい。

4-8. 装備
装備品には武器・盾・鎧・兜・特殊の 5 種類があり、特殊は 2 つ、その他は 1 つずつ装備できます。武器は装備することにより攻撃力が上がり、防具(盾・鎧・兜)は防御力が上がります。また、装備品には攻撃で与えたダメージの一部を自分に吸収したり、受けたダメージの一部を相手にも跳ね返すなどの特殊な効果を設定できます。特殊装備はこの特殊効果のみを有した装備品ですが、特殊装備以外の装備品にも特殊効果を設定できます。特殊効果についてのさらに詳しい情報はアイテムの設定に関する項目をご覧下さい

4-9. セーブ・ロード
ゲームを途中でセーブ・ロードする機能は大抵の RPG が装備している機能ですが、Queek でもこの機能を利用できます。Queek では、宿屋を使ってセーブを行うことになっています。適当な場所にセーブポイントとして宿屋を配置して下さい。宿屋以外の場所でセーブを行うことは出来ません。ロードは RPG 起動時のメインメニューで行えます。

4-10. その他
Queek に関するゲームシステムは以上のようなものがありますが、その他いろいろなことをスクリプトによって実現できます。詳しくはスクリプトの説明をご覧下さい。