Queek II とは?

名称について

Queek (クイーク、クウィーク) というのは、2003 年 4 月にインターネット停留所が発表したフリー RPG 製作ツールです。クォータービューのフィールドとリアルタイム戦闘システムが特徴で、Queek の Qu が quarter-view の qu であることは言うまでもありません。そして、その Queek を全面的に再設計してゼロから作り直したのがこの Queek II であります。以後、前版の Queek については、混同を避けるため Queek I あるいは単に「前版」と表記します。新旧を区別する I / II は半角英字のローマ数字です。全角記号の「U」を使うのはやめてくださいね(笑)。アラビア数字で表記する場合は、Queek2 とスペースを空けずにすべて半角で表記してください。当然 Queek II もフリーです。詳しくは配布方法の貢をご覧下さい。

クォータービュー

前置きが長くなってしまいました(汗)。前述の通り、あるいは既にご存知かと思いますが、Queek II 最大の特徴はフィールド表現形式にクォータービューを採用している点にあります。Queek II は、クォータービューについて Queek I よりもはるかに強力な立体空間表現能力を備えています。前版では、地面の標高を変化させることにより立体的な地形が表現できる、というレベルに過ぎませんでしたが、Queek II では地面やオブジェクトを多層に重ねることができ、立体交差のようなさらに複雑な地形を表現できます。

なぜクォータービューか?

近年の商用ゲームはほとんどが 3D 化され、フルポリゴンの大変リアルなグラフィックスを搭載しています。しかしながら、プログラム初心者にとっては 3D は高度な知識と技術力が要求されるだけでなく、キャラクターのモデリングなど、素材を揃えるためにも高い敷居があります。そんな中で、現在出回っている一般向け RPG 製作ツールはほとんどが昔ながらの 2D 平面フィールドを採用しており、商用ゲームと (平均的な) 個人製作ゲームのアピアランス面での差は開くばかりです。そこで、その差を少しでも縮めたいという思いから、いわゆる 2.5 次元、クォータービューが登場するわけです。

リアルタイム戦闘システム

Queek II の RPG 製作ツールとしての特徴で次に大きいのが戦闘システムです。ファミコンの昔から現在にかけて RPG に起こった変化のうち、ごく最近現れたものが MMO-RPG というものです。これらのオンラインゲームでは、RPG と言っても古風なコマンド選択式より、アクション RPG に近いシステムが採られることが多いようです。それに従い、MMO-RPG (のような RPG) を作りたい、というアマチュアクリエイターも多いはずです。Queek II は、完全にアクション RPG とまでは行かないまでも、それらに近いリアルタイムな戦闘システムを採用しています (戦闘のスムーズさは前版よりかなり改善されています)。また、MMO-RPG に近いシステムとして、スキルの概念も取り入れました。これをアイテムや魔法を使用・習得する条件として使用できます。

最大限の自由度向上

クリエイトツールとして重要な要素、それは自由度です。Queek II には可能な限り自由度向上のための努力を注入しています。例えば、アイテム・キャラクター・魔法といった基本的な要素の設定数にはほぼ上限がなく、大規模な開発にも耐えるものと思われます (「魔法」のような世界観を限定する用語は自由にカスタマイズできます)。自由度の点で最も特徴的なのが装備システムです。RPG で装備用のアイテムには装備できる箇所が決まっているのが普通ですが、問題はその「箇所」です。Queek II では、アイテムを装備するための「箇所」からカスタマイズが可能です。例えば、右手・左手・頭・胴体・足…という風に。さらに、キャラクターごとにこれらの装備箇所の中から使えるものを取捨選択できます。アイテムから見ても、複数の箇所を同時に占有して装備するようにしたり、複数の箇所からいづれかに装備するようにしたりと、かなり自由なカスタマイズが可能となっています。

強力なスクリプトシステム

自由度向上という面でも、スクリプトシステムの改良は Queek II の最も大きな改革と言ってよいでしょう。Queek II のスクリプトシステムは、RPG 製作ツールとして適するよう独自に仕様を変更した C 言語、「Queek C」です。製作ツールの多くは独自の簡単なスクリプト言語を用意することが多いようですが、Queek II はあえて C 言語を採用しました。言語そのものの説明はスクリプトの貢で述べるとして、とにかく RPG 製作ツールとしては十分すぎるほどの記述性があります。RPG 製作ツールと言いながら、画像処理系の関数を使えばシューティング、パズル、格闘など、あらゆるジャンルのゲームが製作できます (もちろんそれには高度な C 言語やアルゴリズムの知識が要求されますが)。つまり、ゲームに関しては HSP 的な使い方が可能です。

プログラミングなんて出来ませんが?

C 言語はプロも使うばりばりのプログラミング言語です。しかし現在の段階であなたに全く C 言語やプログラミングの知識、経験がなくても大丈夫です。例え他のツールを使ったとしても、ある程度の複雑な動きを望むならスクリプト (に近いもの) は恐らく避けられない道でしょう。そもそもスクリプトとは?…要は、プログラムのコードです。見たことがなくても、何となくソフトウェアと言うものが何やら呪文のような文章によって作られている、ということは想像できるでしょう。あなたがこれからその呪文を書いて RPG を作るのです。もしあなたにプログラミングの経験がない場合、仮に Queek II を使わずに「C 言語だけで」RPG を作ろうとすれば血のにじむ努力が必要ですが、Queek II で最低限要求される C 言語の知識はその氷山の一角です。他のツールで作ろうとすれば結局そのツールのスクリプトを学ばなくてはなりません。つまり、Queek II のために必要な C 言語の知識もそれと変わらない程度のものですから、心配要りません。

C 言語を採用する利点

プログラミングという言葉だけで敬遠される恐れがあるのですが、実はスクリプトシステムに C 言語を採用することによて得られる利点はたくさんあります。まず、C 言語自体は古い言語ですから、関連する書籍や解説・講座などのサイトも山ほどあります。ですから、C 言語そのものの学習には事欠きません。次に、C 言語は実用的な言語でゲーム製作にも多く用いられていますので、複雑な処理を書きたい場合にも関数等の機能を用いたわかりやすいプログラミングが可能です。Queek II でシューティングなど RPG 以外のゲームも作れる、というのは C 言語による強力な記述が可能であるからこそです。さらに、Queek II での製作を通して C 言語を少しでも使えるようになれば、それはあなたのスキルとして Queek II をやめた後も残ります。独自の言語を採用したツールなら、そのツールを使わなくなればその言語の知識もほとんど無駄になってしまいますが、C 言語は現在も世界中で使われている言語です。ゲーム製作にチャレンジしてみたいという人にとっては C 言語のスキルはあるに越したことはないのです。

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