ゲームシステム

ゲームシステムの概要

Queek II で RPG を製作しようとする場合、どのようなシステムの RPG が製作できるのか、ということを以下にまとめます。もちろん、前述のようにスクリプトを駆使すれば RPG 以外のゲームも作れますし、工夫によってはここに書いてある内容とは異なったシステムの RPG も製作できる可能性があります。しかし、Queek II に慣れるまでは特殊な試みは避け、このツールで作れる標準的な RPG を製作してみることをお勧めします。

キャラクターの扱い

Queek I ではプレイヤーが一緒に行動できるキャラクターは 1 人で、パーティーを組むことはできませんでした。Queek II では複数のキャラクターがパーティーを組むことができ、プレイヤーはそのうちの 1 人を選択して操作します。同じパーティーの他のキャラクターはコンピュータが操作し、基本的にはプレイヤーが操作しているキャラクターに付いて行きます。敵が接近すると自動的に交戦します。敵と書きましたが、Queek II ではキャラクターに敵・味方 (あるいは登場人物と NPC) のデータ構造上の区別はありません (Queek I では敵キャラと登場人物キャラで区別されており、敵キャラの設定項目は登場人物より制限されていました)。

勢力

Queek II には「勢力」という概念があります。これは登場するキャラクターが属する国や団体を規定するもので、勢力間の関係 (友好、中立、敵対) を設定することにより敵味方を区別します。単に敵味方と言うだけでなく、三極関係なども構成できます。プレイヤーとパーティーは組んでいないが友好関係にあるキャラクターをフィールドに配置すれば、共に戦わせることが可能で RTS のような戦闘も作成できます。

戦闘システム

Queek II による RPG の戦闘システムはリアルタイム戦闘システムといい、戦闘用の画面に切り替わることなくフィールド上で直接行われます。HP、MP 等の基本的な概念は一般的な RPG と同じです (HP 等の用語はカスタマイズできます)。Queek に独自のパラメタとして AP (Action Point) があります。これはリアルタイムな戦闘において、攻撃や魔法、アイテム使用等のアクションを実行するために必要な数値で、アクションを行うと 0 になり、自動的に回復するまで次のアクションを起こせません (移動は可能)。装備を追加すると基本的には AP の最大値が増え、回復するまでに時間がかかるので素早さが低下します。AP の最大値は「素早さ」の逆で「鈍さ」を表しているともいえます。フィールド上では歩行、走行と 2 段階の速度で移動できます。歩行、走行時の速度はキャラクターごとにカスタマイズできます。魔法以外の通常の攻撃はキャラクターごとに並列に処理されます。

属性

キャラクターには属性を任意の個数設定できます。攻撃魔法には単一の属性を設定でき、この属性間の優劣によってダメージが変化します。武器が与えるダメージに属性を付加することもでき、同じく優劣の影響を受けます。

状態異常

毒・麻痺など、キャラクターのパラメタに一時的に変化を与える要素として、前版にはなかった状態異常の概念が導入されました。状態異常の種類はユーザーが独自にカスタマイズでき、その効果 (HP が徐々に減少、歩行速度低下等) も自由に設定できる他、特定の属性のキャラクターには無効であったり逆に特定の属性にしか利かないなどの設定も可能です。負の効果だけでなく、攻撃力や防御力などのパラメタを一時的に向上させるような状態異常を作成し、アイテムや魔法を使用することでキャラクターにその状態異常を付加できるようにすることも可能です。状態異常はフィールド上でキャラクターの頭上に表示されます。キャラクターには複数種類の状態異常を同時に付加できます (同じ状態異常は各ひとつまで)。

スキル

アイテムや魔法を使用するための条件として、スキルの概念があります。例えば剣を使用するためには「剣術」のスキルが必要といった風に使います。各スキルにスキルレベルという値があり、大きい剣を使用するためには「剣術」のスキルレベルが 3 以上必要、という風にもできます。スキルを習得するための条件にもスキルを設定でき、プレイヤーはスキルを鍛えていく楽しみも味わえるわけです。スキルはレベルアップで自動的に習得できるようにしたり、特定のアイテムを使用して習得するようにしたり、イベントによって習得させることも可能です。

アイテム・装備

アイテムは HP や MP の回復に用いるほか、戦闘パラメタ改善のために装備したり、魔法やスキルを習得するためのアイテムを作ることもできます。装備システムがかなりの自由度を備えていることは前述の通りですが、装備による効果も単に攻撃力や防御力の向上だけでなく、HP や MP の上限値を変化させたり徐々に減少・増加させる効果なども追加できます。詳しくは総合開発環境のアイテムの貢で説明します。

魔法

Queek II では大きく 3 種類の魔法があります。攻撃魔法、回復魔法、召喚魔法です。攻撃・回復魔法はそれぞれ対象が単体であるか複数であるかによってさらに分類されます。魔法の強さや魔法に対する耐性を示すパラメタとして魔法攻撃力、魔法防御力が各プレーヤーに設定されます。魔法で与えるダメージは各魔法に設定された増幅率を使用したプレイヤーの魔法攻撃力に掛けた値になります (さらに魔法防御力に応じた減衰がかかります)。召喚魔法では、魔法を使用したキャラクターに戦闘で味方する別のキャラクターをフィールド上に呼び出すことができます。召喚されたキャラクターはプレイヤーが操作することはできませんが、召喚したキャラクターに対してパーティーのメンバーと同じように付いて行く行動をとります。魔法が発動されるときはアニメーションが終わるまで一旦動きが停止します。魔法発動時のエフェクトは、魔法の種類ごとに用意されたエフェクトを選択し、色を決めることで作成します。

セーブ・ロード

ゲームのセーブはユーザーが指定したセーブポイントでのみ行える仕組みで、いわゆる「どこでもセーブ」は使えません (スクリプトを使えばある程度可能ですが)。ロードは任意の場所で行えます。

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