学習の準備

用語の説明

「スクリプト」とは英単語 (script) では台本、脚本という意味ですが、コンピュータの世界では「プログラムの動作を定義するために一定のルールに従って記述する文章」というような意味で使われます。同じような意味を表す単語に「ソースコード」というものがあります。スクリプトはソースコードより手軽に実行できるものを指すことが多いようです。人間が書いたスクリプト (ソースコード) をコンピュータが解釈して実行できるようにすることを「コンパイル」といいます。

学習用シナリオを開く

まずは、学習のために作成したスクリプトを実行するための環境を整えなければなりません。Queek C のスクリプトは総合開発環境からコンパイル、実行します。Queek II がインストールされているディレクトリに "Learning" というサブディレクトリがあります。ここに、C 言語学習のために余分なデータを省いた最低限のディレクトリ構成が用意されていますので、まずはここにある "Learning.qk2" というシナリオデータを開いてください。左のメニューからスクリプトモードを選択すると、"Main.qc" というスクリプトファイルがありますね (もうひとつのファイルはまだ使いません)。これを開くと、以下のような内容が記述されているはずです。

最初のスクリプト "Main.qc"

/*
 *  エントリーポイント
 */
void main(){
    //  ここにプログラムを書きます
}

すぐに終了するプログラム

この学習用シナリオデータでは、RPG ランタイムが起動すると void main(){ と書いてある場所からプログラムが実行されるように設定されています。プログラムを実行するには、[コンパイル] ボタンを押して正常にコンパイルされたことを確認し、[動作確認] ボタンを押します。ただし、この段階で実行してみても、ウィンドウが一瞬表示されてすぐ終了してしまうことを確認してください。まだ書かれている内容を理解する必要はありません。

コメント

もう少しこのプログラムを見てみましょう。最初の 3 行は何やら * (アスタリスク) という記号の右側に「エントリーポイント」と書いてあります。エントリーポイントとは、プログラムが起動したときに最初に実行が開始されるスクリプト (ソースコード) の場所を表します。前述のように、このプログラムでは void main(){ がエントリーポイントを表しています。スクリプトの中には通常半角英数のみを使い、日本語など全角文字を書いてはいけません。しかし、ここに書いてある日本語は「コメント」として扱われているので問題ありません。コメントとは、プログラムの動作には影響を与えないが、スクリプトの内容に説明を書きたいときなどに使うものです。上の 3 行のように「/*」と「*/」に囲まれた部分はコメントとして扱われるので何を書いてもよいのです。真ん中の行の * は、これがあることで * が縦に並ぶので綺麗に見えるというだけのものです。その下にも日本語が書いてあります。コメントの書き方には実はもう 1 種類あって、ひとつの行の「//」の後はコメントとみなされます。/* 〜 */ が主に複数行に渡るコメントを書くのに使われるのに対し、// 〜 は主に 1 行だけのコメントを書くのに使われます。

ブロック

中カッコ { } で囲われた部分を「ブロック」と言います。今は詳しく理解する必要はありませんが、このスクリプトのコメントが言っているように、とりあえず { } の間にプログラムを書けばよい、と思っておいてください。次は、すぐに終了しないプログラムを作成します。

メッセージを表示する

void main(){
    SysDialog("Hello Work!");
}

すぐに終了しないプログラム

スペース節約のためコメントは削除しましたが、残しておいてもかまいません。さて、上のプログラムをコンパイルし、実行してみてください。やり方はもうわかりましたね?「Hello Work!」というメッセージが表示されましたか?[OK] を押すとプログラムが終了します。このプログラムでは、SysDialog という関数を使い、ダイアログボックスにメッセージを出力しています。関数については後で説明しますが、ここでは何か処理を行うためにシステムに与える命令のようなものだと思ってください。この命令では SysDialog の後の ( ) の中に書かれた内容を表示します。しかしもう一度実行してよく見てください。ダブルクォート " " は表示されていませんね?これにも決まりがあって、プログラムで使いたい文字列 (プログラムの経験がない人には馴染みがない言葉かもしれませんが、文字を連ねたもの、つまり単語や文章を「文字列」といいます) を書く場合には、ダブルクォートで囲む必要があるのです。また、C 言語では命令ごとに (命令という単位は厳密ではありませんが) セミコロン ; を書かなければいけません。忘れないようにしてください。以上、最初のレッスンの内容は理解していただけたでしょうか。

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